実際の変更例
フッ素樹脂 コーティング剤の対応
フッ素樹脂 コーティング剤のRoHS指令への対応は慎重に行う必要があります。それは、製品にもよりますが、柱状ではカドミウムが100ppmを超え含有する為に不適合になる事があるからです。
現状において、フッ素コーティング剤の対応方法がある程度確率されています。
現状では私の感じた所、対応方法でなく、対応させてその際の性能の
良し悪しを競う段階で各社行われているように感じました。
対応の早さに驚いたものです。
それでは、実際の対応にあたる手段です。
フッ素樹脂 コーティング剤の対応としては、次の変更が検討されます。
?シリコン系の対応品を使用する。
?他の処理に変える。
用途にもよるでしょうが、使用条件や必要条件が低摩擦性、耐候性、
非接着性などの理由であれば、この2点で良いと思われます。
シリコン系ではRoHS指令対応のコーティングが
いろいろ出ていますので取引先にお問合せください。
最後に注意事項を1点だけお伝えします。
これは対応を行ううえでとても大切な事だと思いますので、
直接ご確認するかし、お気をつけください。
フッ素樹脂 コーティング剤などはコーティング材によって、
炉の温度管理に問題が起きることがあります。
炉自体の設計は、だいたい400℃で設計されています。
そのため、焼付け温度が低いコーティングを選択すると色のバラツキが
出る事がありますのでお気を付けてください。
真鍮(C3604)を対応させる
真鍮(C3604)を対応する事は多くの製造業で重要な事となっていきます。
それはRoHS指令対応で、製造業としては一番に問題に上がってくるだろう金属材料が真鍮(C3604)だからです。
それでは「真鍮(しんちゅう)」C3604について説明します。
真鍮は何が問題であるかという事ですが、分析値を見てみると鉛とカドミが閾値を超えていきます。
鉛に関しては適用除外に該当するために、問題はありません。
【RoHS指令適用除外】:合金成分として銅材に含まれる4%までの鉛は除外。
真鍮(C3604)は、カドミが問題となってくる事になります。
しかし、多くの皆様が問題にしている材料というのは、誰かが対応してくれるものです。
「カドミレス真鍮」がすでに多く販売されています。それを利用して万事解決です。
ただ、これで安心という事ではありません。
特殊な材料になる為に、コストアップに繋がってしまうからです。
特殊材料を安くということ自体が通常では無理な話になります。
切削性や非磁性を理由に、真鍮を選択されてきている企業は
他の材料にするのか、選択を迫られます。
コストによる課題に問題がなければ、カドミレス真鍮への
一発変更で問題はありません。
鉛含有の塗料を対応させる
鉛含有塗料という言い方で塗料を区別しました。それは全ての塗料に対して鉛が含有している訳ではないからです。
もちろん、鉛などの規制物質が入っていない塗料はRoHS指令対応の必要はありませんから。
塗料のRoHS指令に対する対応は、簡単であり、とても難しいです。塗料自体が実際にRoHS指令に対応しているかどうかは、見てもわかりません。信用のおける取引先であれば、問い合わせを行い、証明してもらう事が一番です。
しかし、確実とはいえない企業であれば、新しい取引先にこの機会に変える必要がでてきます。話は少しそれたようにみえますが、RoHS指令方法は「取引先に問い合わせる」。支障がなければ、「対応品を購入する」。
塗料に関しては、これが一番の近道となります。そこまで、高い副資材には当たらないと思いますので、問題ないと思います。
そして、予備知識として危なそうな(鉛が含有していそうな)色をお教えします。それは、濃い色です。真っ赤、黄、緑。など強い色の部分には気をつけてください。
私の経験では、赤色と橙色で鉛が閾値を超えたことがあります。怪しい色は定性分析(蛍光X線分析)、又は定量分析で調べるか、対応品を購入してください。